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大阪市で死後事務委任契約を検討中の方へ|生前に準備しておくべき手続きと注意点

行政書士 大阪市 死後事務委任契約

大阪市で死後事務委任契約を検討中のあなたへ

目次

大阪市内では高齢化が進み、単身世帯や高齢夫婦のみの家庭が増えています。

それに伴い、「亡くなった後の手続きを誰が行うのか」という課題が深刻化しています。

こうした問題に備える方法のひとつが「死後事務委任契約(しごじむいにんけいやく)」です。

これは、生前に信頼できる人(家族・知人・専門家など)と契約を結び、亡くなった後に必要な手続きや事務を代わりに行ってもらう仕組みです。

たとえば、葬儀や役所への届出、公共料金の解約、病院への支払いなど、本人の死後に発生する事務を、契約によってスムーズに進めることができます。

しかし、この制度を知らずに何の準備もしないまま亡くなると、残された人たちが対応に困るケースが少なくありません。

また、契約内容は信頼できる行政書士と専門家のサポートを受けながら決定しなければ、思わぬトラブルの原因にもなります。

この記事ではそんな「死後事務委任契約」について、大阪市内に事務所を構える行政書士がわかりやすく解説します。

死後の手続き、誰がどうする?大阪市で増える「死後の困りごと」

大阪市 死後事務委任契約 困りごと 

大阪市内では高齢化が進み、単身世帯や高齢夫婦のみの家庭が増えています。

それに伴い、「死後の手続きを誰が行うのか」という課題が深刻化しています。

たとえば次のような問題が起こります。

葬儀の段取りを誰が行うか決まっていない

亡くなった直後にまず必要となるのが葬儀や火葬の手配です。

しかし、「誰が喪主を務めるのか」「どの葬儀社に依頼するのか」「どのように送りたいのか」が決まっていないと、残された人たちは混乱してしまいます。

特に、親族が少ない場合や、親しい人が限られている場合には、葬儀自体がすぐに行えず、遺体の安置場所や費用の支払いが問題となることもあります。

死後事務委任契約では、葬儀の内容や依頼先、費用の支払い方法までをあらかじめ取り決めておくことが可能です。

病院や介護施設への支払い、保険金の請求などを誰もできない

亡くなった後には、医療費や介護施設の利用料など、支払いが発生します。

また、生命保険や共済の請求も行わなければ、保険金を受け取れないままになってしまいます。

ところが、本人名義の口座は死亡届の提出後に凍結されるため、家族でも自由に引き出すことができません。

このため、支払いや請求を行える人が事前に決まっていないと、関係機関とのやりとりが滞ってしまうのです。

死後事務委任契約を結んでおけば、委任を受けた人がこれらの精算や請求を正式に行うことができます。

家の賃貸契約・電気・ガス・携帯電話などが放置される

賃貸住宅に住んでいた場合、亡くなったあとは家の片付けや退去手続きを行う必要があります。

しかし、誰も契約者の代わりに対応できないと、家賃の引き落としや公共料金の請求が続き、無駄な支払いが発生することも。

携帯電話やインターネットの契約、サブスクリプションサービスなども同様で、放置すると個人情報の漏えいリスクにもつながります。

委任契約を通じて、こうした解約や清算を行う人を明確にしておけば、スムーズな手続きが可能になります。

遠方の親族に連絡が取れず、手続きが進まない

亡くなったことを知らせるにも、連絡先が分からなかったり、長年交流がなかったりすると、誰にも伝えられないケースがあります。

行政手続きや遺品整理を行うにも、親族の同意や確認が取れないと進められません。

結果として、遺体の引き取りや遺品の整理が遅れ、行政が介入する事例も大阪市では増えています。

死後事務委任契約では、連絡先リストや希望する対応を生前に整理しておけるため、連絡の滞りやトラブルを防ぐことができます。

これらの「死後事務」は、亡くなった本人の代わりに行う必要があります。

しかし、法律上は本人の死後に代理権は消滅するため、「信頼していた人に頼んでおけば安心」というのは誤解です。

実際に大阪市の行政窓口や葬儀社、金融機関では、「誰がこの手続きを進める権限を持っているのか?」という確認が求められます。

もし明確に契約で定めていなければ、家族間で揉めたり、放置されたままトラブルになるケースが多いのです。

「うちは大丈夫」と思っていませんか?現実に起こる死後トラブル

「子どもに頼むから大丈夫」「まだ元気だから早い」と思っている方が多いですが、実際には次のような事例が大阪市でも頻発しています。

息子が遠方勤務で、すぐに駆けつけられなかった

近年では、子どもが仕事の都合で他県や海外に住んでいるケースも珍しくありません。

親が急に亡くなった場合でも、すぐに大阪へ戻って手続きを進めることが難しいという現実があります。

葬儀や役所への届け出、病院の精算などは短期間で対応が求められるため、結果的に行政や施設の担当者が一時的に対応することもあります。

死後事務委任契約を結んでおけば、遠方の家族の代わりに、あらかじめ指定された受任者が迅速に対応できる体制を整えられます。

家族間の関係が希薄で、誰も手続きを引き受けなかった

親族がいても、疎遠になっている場合や相続争いなどで関係が悪化している場合、誰も死後の事務を引き受けないことがあります。

このような場合、葬儀や遺品整理が放置され、行政が「行旅死亡人」として処理を進めることになり、本人の希望に沿わない対応が行われることもあります。

生前に死後事務委任契約を交わしておけば、家族関係に左右されず、信頼できる第三者(行政書士など)に手続きを正式に任せることができます。

身寄りがない単身高齢者の遺体が数日後に発見された

どの自治体でも、もちろん大阪市内でも、単身高齢者が亡くなったことに誰も気づかず、数日後に発見されるケースも少なくありません。

こうした場合、遺体の搬送や葬儀、遺品の整理を行う人がいないため、行政が一時的に対応し、その費用が公費で処理されることになります。

しかし、公的対応では本人の希望(宗教・葬儀方法・埋葬先など)は尊重されにくく、「生前の意思」が反映されません。

死後事務委任契約では、葬儀の内容や納骨先などを具体的に決めておけるため、本人の希望に沿った最期を実現できます。

公共料金や賃貸契約がそのままになり、債務が残った

亡くなった後、電気・ガス・水道・携帯電話・サブスク契約などを解約しないまま放置すると、料金が発生し続けてしまいます。

また、賃貸住宅の家賃や退去費用、原状回復費などが支払われず、結果的に「債務」として相続人に請求されることもあります。

こうした不要な負担を防ぐには、死後事務委任契約によって、解約・精算の権限を持つ人を事前に決めておくことが重要です。

どれも「自分には関係ない」と思っていた方の身に起こったケースです。

誰にでも起こりうる現実として、死後の事務を「生前に決めておく」ことの大切さが認識されつつあります。

死後事務委任契約は、こうした「自分の死後を安心して任せたい」という想いを、法的に形にする仕組みです。

「死後事務委任契約」でできることと、公正証書化の重要性

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「死後事務委任契約」とは、本人が生前に信頼できる人(家族・友人・行政書士など)に対し、亡くなった後の事務を任せる契約のことです。

契約書で定めた内容に基づき、委任された人(受任者)は次のような手続きを行えます。

葬儀・火葬・埋葬の手配

亡くなった後の葬儀・火葬・納骨などを、本人の希望に沿って行います。

「葬儀の規模」や「宗教形式」などを契約書であらかじめ定めておけば、家族や関係者の負担を大きく軽減できます。

死亡届などの行政手続き

市区町村役場への死亡届の提出や、埋火葬許可証の取得など、行政への手続きを代行します。

これらは期限が短く煩雑なため、信頼できる受任者が対応することで安心です。

健康保険証・介護保険証などの返却

健康保険証・介護保険証などの公的証書を役所へ返却します。

年金・医療関連の停止手続きにも関連するため、正確な対応が求められます。

公共料金やサブスク契約の解約

電気・ガス・水道・携帯電話・インターネットなど、生活関連の契約を整理します。

近年ではサブスクリプション(定期課金サービス)の契約も増えており、確実な解約が必要です。

賃貸住宅の明け渡し・荷物整理

賃貸住宅にお住まいの場合は、家主との明け渡し手続きや、室内の遺品整理・清掃などを行います。

退去に伴う費用や残置物の扱いなども、契約内容に沿って処理します。

銀行・保険・年金などの事務整理

口座の解約、保険金の請求、年金の停止など、金融関係の事務を行います。

これらの手続きは相続人がいない場合や高齢単身者にとって特に重要です。

ペットの引取りや世話の依頼

ペットを飼っている場合は、引取り先の指定や飼育費用の管理も契約で定められます。

大切な家族であるペットの今後を確実に守ることができます。

これらは「相続人がいない」「遠方の親族が手続きできない」場合にも極めて有効です。

さらに、契約書を公正証書にすることで、法的効力が高まり、関係機関での対応がスムーズになります。

✅ 行政書士による契約書作成サポート
✅ 公正証書化による証明性の確保
✅ 内容変更や追加も柔軟に対応

大阪市内では、中央区・北区・天王寺区・淀川区など、公証役場も複数あります。

近隣の公証役場と連携して契約を進めることで、安心・確実に残せます。

専門家が提案する大阪市での契約ステップとポイント

実際に「死後事務委任契約」を行うには、次のような流れをおすすめします。

STEP 1. 初回相談(無料)

希望内容や不安な点をヒアリングし、必要な範囲を整理します。
例:「葬儀」「財産整理」「ペット」「家賃」など。

STEP 2. 委任範囲の決定

誰にどこまで任せるか、委任内容を具体的に定めます。

STEP 3. 契約書作成・公正証書化

法的に有効な形式で作成し、公証役場で証明を受けます。

STEP 4. 死後の対応体制づくり

委任された方(受任者)や家族と共有し、緊急連絡体制を整備します。

STEP 5. 定期的な見直し

状況や人間関係が変われば契約内容も見直します。

💡 ポイント
 
内容を具体的に書くほど、トラブル防止効果が高まります。

行政書士に依頼することで、実際の死亡時対応の経験を踏まえた文面を作成できます。

特にこの契約をおすすめしたい方の特徴

以下のような方には、特に「死後事務委任契約」が効果的です。

一人暮らしで頼れる親族がいない方

単身で暮らしている方にとって、亡くなった後の手続きは大きな不安材料です。

死亡届の提出、葬儀の手配、医療費や公共料金の精算、賃貸物件の退去手続きなどは、誰かが代わりに行わなければ進みません。

しかし「頼める親族がいない」「近くに身寄りがない」という方は、これらの手続きが放置されてしまう可能性があります。

死後事務委任契約は、こうした不安を事前に解消し、信頼できる第三者に必要な手続きを任せられる制度です。

自分の最期が『迷惑をかけず、確実に整理される』という大きな安心を得られます。

家族と疎遠な方

家族と関係が薄かったり、長年連絡を取っていない場合、亡くなった後の事務手続きを家族に依頼するのは現実的ではありません。

疎遠な関係では「突然、死後の事務を任される」ことで、相手に精神的・物理的な負担が大きく生じ、トラブルに発展するケースも少なくありません。

死後事務委任契約を結んでおくことで、疎遠な家族に負担をかけることなく、自分の意思に基づいた手続きを確実に実行してもらえます。

「迷惑をかけたくない」「自分の希望を理解してくれる相手に任せたい」という思いがある方に、非常に相性の良い契約です。

再婚・事実婚など、相続関係が複雑な方

再婚・事実婚・子連れ再婚(ステップファミリー)など、家族構成が複雑な方は、生前の意思表示を明確にしておくことが極めて重要です。

死後の事務を誰が行うかが定まっていないと、配偶者・前婚の子ども・血縁の親族の間で連絡が取れなかったり、判断が曖昧になったりし、トラブルの火種になります。

死後事務委任契約では、葬儀の執行者や手続きを行う人物を明確に1人に定められるため、複雑な家庭環境で起こりがちな混乱を未然に防ぐことができます。

「誰に任せるか」を法的に固定できる点が大きなメリットです。

自分の死後の希望(葬儀・納骨・寄付)を明確に残したい方

「大げさな葬儀はしたくない」「家族葬にしてほしい」「遺骨は納骨堂へ」「特定の団体に寄付してほしい」など、亡くなった後の希望がある場合は、その意思を実行してくれる人を指定する必要があります。

遺言では葬儀や死後の細かな手続きまではカバーできず、多くの場合は家族の判断に委ねられます。

死後事務委任契約では、葬儀の方法、納骨先、遺品整理、寄付の手続きまでを「誰が」「どの順番で」行うのか細かく定められます。

生前に思い描いた“自分らしい最期”を確実に実現したい方に最適な制度です。

成年後見制度や遺言ではカバーしきれない部分を補いたい方

成年後見制度は「生きている間の財産管理」、遺言は「財産の分配」が中心であり、実は死後の事務処理を対象とはしていません。

たとえば、医療費の精算、公共料金の解約、賃貸物件の退去、葬儀の手配などは、制度上の空白になってしまいます。

そこを埋めるのが死後事務委任契約です。

既に遺言書や任意後見契約を作っている方でも、死後の手続きを確実にするにはこの契約を併用する必要があります。

「準備はしているつもりだが不安が残る」という方ほど、メリットを実感できる部分です。

一方で、以下のような場合は、遺言や成年後見制度との併用が望ましいです。

財産の分配に関する意思を示したい場合

死後事務委任契約は「死後の手続き」を依頼する契約であり、財産の分配(相続分・特定財産の遺贈など)について法的な効力を持つものではありません。

財産の承継方法を指定したい場合は、必ず遺言書を作成する必要があります。

特に、不動産・預貯金・株式などの財産がある場合、遺言がなければ法定相続分に基づいて自動的に分割され、本人の希望が反映されないことが多くあります。

さらに、残された家族同士の判断で配分を決める必要が生じ、負担が大きくなることもあります。

死後の事務は死後事務委任契約、財産の分配は遺言、と役割が異なる2つを組み合わせることで、ようやく自分の意思を100%反映した最期の準備が完成します。

認知症など、判断能力が低下している場合

判断能力が低下してからでは、死後事務委任契約や遺言の作成はできません。

そのため、今は元気でも将来「判断能力が衰える可能性がある」と考えられる方は、成年後見制度(特に任意後見契約)との併用が不可欠になります。

成年後見制度は「生きている間の財産管理・身上保護」を担い、死後の事務については管轄外です。

任意後見契約で“生前の支援”を確保し、死後は死後事務委任契約で最期の整理を依頼するという形で、人生の終盤を切れ目なくサポートできます。

判断能力の低下は突然訪れることもあるため、早めの準備が後悔のない選択につながります。

相続人間で紛争が予想される場合

家族関係が複雑であったり、特定の相続人との関係が悪化している場合、死後の手続きの段階で対立が表面化することが少なくありません。

死後事務委任契約は「死後の実務処理を誰が行うか」を定める契約ですが、相続分の調整や争いの防止機能はありません。

そのため、紛争が予想される場合には、遺言書の作成と必要に応じた専門家の関与が極めて重要です。

特に公正証書遺言は証拠力が高く、相続トラブルの火種を大幅に減らせます。

また、死後事務委任契約で手続きをする人物を固定しておくことで、親族間の意見対立を避け、葬儀や契約解除などの実務を円滑に進めることができます。

トラブルが想定されるケースほど、両制度の併用が効果を発揮します。

「死後事務委任契約」は、財産を分けるためではなく、亡くなった後に困らないための契約であることを理解しておくことが大切です。

今すぐ始めるためのステップと具体的な流れ

最後に、すぐに行動に移すための具体的なステップをご紹介します。

STEP 1. まずは専門家に相談する

すぎもり行政書士事務所(大阪市都島区)では、死後事務委任契約に関する無料相談を実施しています。

STEP 2. 自分の希望をリスト化する

葬儀の方法、連絡してほしい人、整理してほしい契約などをメモにしておく。

STEP 3. 契約書の作成・署名捺印

行政書士立会いのもと、委任内容を文書化する

STEP 4. 公正証書で確定する

大阪市内の公証役場(中央区・北区・西区・浪速区・天王寺区など)で正式に契約する。(公正証書にすることを推奨します)

STEP 5. 家族・関係者へ通知

「この契約をしている」ことを関係者へ伝え、いざというときの混乱を防ぐ。

近年、「死後事務委任契約」を活用する人が増加しています。

それは単に死後の準備ではなく、今を安心して生きるための契約でもあります。

「自分の死後を、誰かに迷惑をかけずに任せたい」

そんな想いを、法的に形にできる唯一の方法がこの契約です。

不安を一人で抱え込まずにぜひお声掛けください。


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