
相続や遺言まだ先の話だと
思っていませんか?

上記のようなお悩みは、決して特別なものではありません。
私自身も高齢の家族を身近に持つ立場として、将来に対する不安や戸惑いを日々実感しています。当事者になって初めて見えてくる問題も多く、「まだ大丈夫」と思っていたことが、ある日突然現実の課題として表面化することも少なくありません。
相続や財産管理について何の準備もしないまま時間が経過すると、将来的にさまざまな支障が生じる可能性があります。例えば、親の判断能力が低下した場合、預貯金の解約や不動産の売却といった行為ができなくなり、必要な手続きが進められなくなることがあります。また、相続が発生した後になってから対応を考えると、遺産分割をめぐって家族間で意見が対立し、関係が悪化してしまうケースも決して珍しくありません。
こうした事態を避けるためには、相続が発生する前からの備えが非常に重要です。具体的な対策としては、「遺言書の作成」や「任意後見制度の活用」などがあり、将来起こり得る状況を想定したうえで、適切な方法を選択することが求められます。それぞれの制度には役割や特徴があり、家族構成や財産の内容によって適した対策は異なります。
もっとも、相続や後見に関する制度は複雑で、法的な判断を伴う場面も多く、ご自身だけで進めるのが難しい場合もあります。専門家に相談することで、現状を整理し、無理のない形で将来に向けた準備を進めることが可能になります。
大切なのは、「何か起きてから考える」のではなく、今の状況を把握し、できるところから一歩ずつ備えていくことです。
相続でよくあるトラブルと
事前にできる備え
相続のトラブルは、特別な資産家や家族関係が悪いご家庭だけに起こるものではありません。「うちは大丈夫」と思って何も備えをしないまま相続が発生し、ごく普通のご家庭で問題が表面化するケースは非常に多いのが実情です。
よくある相続トラブル① 遺産分割でもめる

よくある相続トラブル② 不動産が原因で身動きが取れない

よくある相続トラブル③ 認知症で財産が動かせない

相続で起こるトラブルの多くは、特別な家庭だけに起こるものではありません。
「うちは大丈夫」「まだ先の話」と思っているうちに、いざ相続が発生すると、思わぬ対立や手続きの行き詰まりに直面するケースが少なくありません。
しかし、こうした問題の多くは、元気なうちに準備をしておくことで防ぐことができます。相続は「起きてから考えるもの」ではなく、起きる前に備えておくものです。
ご家族の状況や財産の内容に応じて、今できる対策を整理しておくことが、将来の安心につながります。
遺言書は家族への
メッセージです
遺言書は、財産の分け方だけを決めるものではない
遺言書は、財産の分け方だけを決めるものではありません。
「誰にどの財産を渡すかを書くもの」という印象を持たれがちですが、それだけではないのです。
遺言書には、自分の考えや想いを、家族に向けてきちんと残しておく役割があります。言葉として残しておくことで、あとに残されたご家族の受け止め方は大きく変わります。
たとえば、なぜ特定の人に多く財産を残すのか、なぜ自宅をその人に引き継いでもらうのか。
その理由が少しでも記されているだけで、不安や誤解は大きく減ります。
相続で問題が生じる原因は、財産の多さではなく、「理由が分からないこと」による行き違いであることが少なくありません。
遺言書は、その行き違いを防ぐための大切な手段でもあります。
財産の分け方を文章で残す
遺言書では、財産の分け方を明確に文章で残すことができます。
あらかじめ意思を示しておくことで、相続手続きを円滑に進めることにつながります。
遺言書がない場合、ご家族で話し合いを行うことになりますが、その過程で意見が対立してしまうこともあります。
特に不動産など分けにくい財産がある場合は、調整が難しくなることも少なくありません。
あらかじめ誰に何を引き継ぐのかが明確になっていれば、迷いや負担を減らすことができます。
ご家族に余計な心配や手間をかけないためにも、事前の準備が重要です。
遺言書は、単に財産を分けるためのものではなく、ご家族の負担を軽減するための備えでもあります。
気持ちを書き添えることもできる
遺言書には、財産の分け方だけでなく、自分の気持ちを書き添えることもできます。
法律上の効力とは別に、言葉として想いを残せることも大きな特徴です。
たとえば、これまで支えてくれたことへの感謝や、介護をしてくれたご家族への想い。
あるいは、これからの生活に対する願いや、家族へのメッセージを伝えることもできます。
こうした言葉があることで、遺言の内容に対する理解が深まりやすくなります。
結果として、相続の場面での感情的な対立を和らげる効果も期待できます。
遺言書は、単なる手続きのための書類ではなく、ご家族への大切なメッセージでもあるのです。
仲の良いご家庭ほど遺言書は役立つ
「うちは家族仲が良いから大丈夫」と思われる方もいらっしゃいます。
しかし、仲が良いご家庭ほど、お金の話をあらためてする機会が少ないということもあります。
相続は、普段あまり話題にしない内容であるため、いざというときに戸惑いや遠慮が生まれることがあります。
その結果、ちょっとした行き違いが関係に影響してしまうこともあります。
遺言書があれば、あらかじめ基準が示されているため、冷静に話し合いを進めることができます。
感情に左右されにくくなる点も、大きなメリットです。
ご家族の関係が良好であるからこそ、その状態を維持するための準備として、遺言書は役立ちます。
元気なうちに準備が大事
遺言書は、元気なうちに準備しておくことが大切です。
判断能力がしっかりしている状態で作成することで、自分の意思を正確に反映させることができます。
体調や状況の変化によっては、遺言書の作成が難しくなる場合もあります。
そのため、余裕をもって準備を進めておくことが安心につながります。
また、遺言書は一度作って終わりではなく、家族構成や財産状況の変化に応じて見直すことも可能です。
状況に合わせて柔軟に対応できる点も特徴の一つです。
遺言書は、亡くなった後のためだけでなく、今を安心して過ごすための準備でもあります。
判断できなくなった
時に何が起こるのか
① 銀行口座が使えず生活費の引き出しが困難となる

まだ生きているのに、銀行口座が使えなくなることってあるんですか?

はい。認知症などで判断能力が低下していると銀行が判断した場合、口座が凍結される可能性があります。

それだと生活費も引き出せなくなりますよね…?

その通りです。ご本人の意思確認ができないと、安全のために取引が制限されてしまうため、ご家族でも自由に引き出すことが難しくなります。
このように、預貯金があっても自由に使えなくなることで、日常生活や介護費用の支払いに支障が出る可能性があります。
② 不動産の売却や活用ができず、資産が動かせなくなる

実家を売って介護費用に充てたい場合でも、できなくなるんですか?

「はい。名義人の判断能力が低下していると、不動産の売却や賃貸契約は原則できなくなります。

家族でも手続きはできないんですか?

はい。ご家族であっても、本人の代わりに自由に処分することはできません。そのため、資産があっても活用できない状態になってしまいます。
不動産は大きな資産であるにもかかわらず、必要なときに動かせなくなることで、介護費用の準備や生活設計に大きな影響が出る可能性があります。
③ 介護費用の支払いに支障が出て家族の負担が増加する

介護施設の費用って、やっぱり結構かかるものなんですか?

はい。施設の種類にもよりますが、月に10万円〜20万円以上かかるケースも珍しくありません。

もし本人の口座が使えない状態だと、その費用はどうするんでしょうか…?

支払いが難しくなりますので、一時的にご家族が立て替えるなど、経済的な負担が生じる可能性があります。

それは結構大きな負担になりそうですね…

はい。介護は長期間に及ぶことも多いため、ご家族の生活にも影響が出てしまうケースがあります。
このように、必要なときに資金を使えない状況になると、介護そのものだけでなく、ご家族の生活にも大きな影響が及ぶ可能性があります。
④ 家族でも自由に財産管理ができなくなる

家族なんだから、代わりにお金の管理をすることはできるんじゃないですか?

そう思われる方は多いのですが、実はご本人以外が自由に財産を管理することは原則できません。

えっ、子どもでもダメなんですか?

はい。たとえご家族であっても、本人の財産を勝手に使ったり処分したりすることは法律上認められていません。

じゃあ、何もできなくなってしまうんですか…?

その場合は、家庭裁判所に申立てをして『成年後見制度』を利用する必要があります。
このように、家族であっても自由に財産を管理できるわけではなく、正式な手続きを経なければ何もできない状態になる可能性があります。
⑤ 成年後見制度の利用が必要となり柔軟な対応が難しくなる

成年後見制度を使えば解決できるということなんですね?

はい、一定の問題は解決できますが、いくつか注意点もあります。

注意点というと、どんなことですか?

例えば、家庭裁判所が選任した後見人が財産管理を行うため、ご家族の希望通りに柔軟な対応ができない場合があります。

家族が自由に判断できるわけではないんですね…

はい。また、専門職の後見人が選ばれた場合には、継続的に報酬が発生する点にも注意が必要です。
成年後見制度は有効な手段の一つですが、今の法律では一度利用すると原則として途中でやめることができず、柔軟な財産管理が難しくなる側面もあります。
成年後見制度という
選択肢について
「親の判断能力が低下してきたらどうすればいいのか」
「預金の管理や施設の契約を代わりにできるのか」
このような不安を感じたときに検討されるのが、成年後見制度です。
成年後見制度の概要
成年後見制度とは、判断能力が低下した方に代わって、財産管理や契約手続きを行う人(後見人等)を選任する制度です。
家庭裁判所が関与する「法定後見」と、あらかじめ契約で備える「任意後見」があります。
それぞれの制度には特徴があり、状況に応じた選択が重要です。
| 項目 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 財産管理 | 本人に代わって預金管理や支払いを行うことができる | 本人や家族の判断で自由に使うことはできない |
| 法的関与 | 家庭裁判所の関与により適正に管理される | 手続きに時間や手間がかかる |
| 利用開始 | 判断能力が低下した後でも利用できる | 途中で終了できない |
| 財産処分 | 不正防止の仕組みがある | 不動産売却などに家庭裁判所の許可が必要 |
成年後見制度は安心して利用できる制度である一方で、事前に理解しておきたい重要なポイントもあります。
【成年後見制度を利用する際の主なポイント】
・本人の保護が最優先となる制度です
・ご家族の意向を自由に反映することはできません
・不動産の売却などには家庭裁判所の許可が必要です
制度改正の動きと今後のポイント
成年後見制度については、現在、制度の見直し(民法改正等)が検討されています。利用しやすさの改善や、本人の意思の尊重の強化などが議論されている状況です。
【制度改正に関するポイント】
・制度の見直しは現在も議論が続いています
・利用しやすさや本人意思の尊重が重視されています
・今後、制度内容が変更される可能性があります
成年後見制度は、判断能力が低下した方を守る大切な制度です。
ご家族が安心して対応できるよう、制度の特徴や注意点を理解しておくことが重要です。
専門家に相談すると
何が整理できるのか
相続や将来の備えについては、制度ごとの違いや手続きの流れが分かりにくく、「何から考えればよいのか分からない」と感じる方も多いのではないでしょうか。
成年後見制度や遺言、家族信託など、それぞれに特徴があり、状況に応じた適切な選択が重要になります。
こうした不安や迷いを整理し、安心して手続きを進めるためにも、専門家に相談することが大切です。

行政書士は、相続や成年後見、家族信託などに関する手続きの全体像を整理し、お客様の状況に応じた進め方をご提案します。「何から始めればいいのか分からない」という段階からでも、丁寧にサポートいたしますので、お気軽にご相談ください。
それぞれの専門家が得意とする分野
ここでは、家族信託の関わる専門家について、わかりやすく解説します。
それぞれの専門家が役割を分担しながら対応することで、手続きを円滑に進めることができます。
当事務所では、行政書士が窓口となり、全体の流れを整理しながらサポートいたします。必要に応じて、司法書士・税理士・弁護士と連携し、お客様の状況に応じた最適な進め方をご提案いたします。
お気軽にご相談ください。
ご相談の流れ
「何から始めたら良いか分からない」という方もご安心ください。
ご家族の状況や将来のご不安を整理しながら、必要な手続きを一つずつ丁寧にご案内いたします。
まずは現状の整理から始めます
ご家族の状況やお悩みを丁寧にお伺いします。
初回相談では、現在の課題や将来の不安を整理していきます。
複数の選択肢から最適な方法をご提案します
お伺いした内容をもとに、成年後見・遺言・家族信託など、適した方法をご提案します。
それぞれのメリットや注意点もわかりやすくご説明いたします。
手続きは安心してお任せいただけます
ご選択いただいた内容に応じて、必要な手続きをサポートいたします。
他の専門家との連携が必要な場合も、窓口として調整いたしますのでご安心ください。
どの方法が適しているかはご状況によって異なります。
無理に進めることはありませんので、まずは現状の整理からお気軽にご相談ください。
よくあるご質問

A1.はい、大丈夫です。現在のご状況やご不安をお伺いしながら、必要な手続きを一つずつ整理していきます。どの制度を利用すべきか分からない段階でも、お気軽にご相談ください。
A2.いいえ、そのようなことはありません。ご相談のみでも問題ありませんので、内容をご理解いただいたうえでご検討いただけます。
A3.判断能力がしっかりしているうちに作成することが重要です。特に相続トラブルを防ぎたい場合や、財産の分け方を明確にしたい場合は、早めの準備をおすすめします。
A4.多くの場合、トラブルの予防につながります。ただし内容によっては紛争になる可能性もあるため、ご家族の状況に応じた適切な内容にすることが重要です。
A5.認知症などにより判断能力が低下し、ご自身で財産管理や契約手続きが難しくなった場合に利用されます。家庭裁判所が関与する制度で、本人の保護を目的としています。
A6.原則として、一度開始すると本人の判断能力が回復しない限り終了することはできません。そのため、利用前に慎重な検討が必要です。
A7.将来の認知症対策として財産管理を家族に任せたい場合などに活用される制度です。ただし、成年後見制度や遺言の方が適しているケースもあるため、全体を踏まえて検討することが重要です。
家族信託について詳しく知りたい方は、こちらのページもご覧ください。
https://sugimori-gyosei.com/kazokushintaku/
A8.原則としてできません。契約には判断能力が必要なため、元気なうちに準備しておくことが重要です。
A9.基本的には家族信託の内容が優先されます。ただし、すべての財産を信託でカバーできるわけではないため、遺言と併用することでより安心な対策となる場合があります。
A9.基本的には家族信託の内容が優先されます。ただし、すべての財産を信託でカバーできるわけではないため、遺言と併用することでより安心な対策となる場合があります。
A10.将来に不安を感じた時点で、早めにご相談いただくことをおすすめします。早期に準備を行うことで、選択肢の幅が広がります。
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プロフィール
大阪市都島区の行政書士・杉森正治です。相続・遺言・任意後見に加え、家族信託の情報収集と制度研究に取り組んでいます。
ご家族の希望や不安を丁寧に伺い、選択肢を整理し、実現可能な手順をご提案します。
家族信託は、判断能力があるうちに将来の財産管理や承継を任せられる仕組みです。
当事務所では制度の理解を深めながら、地域の皆さまに分かりやすくお伝えすることを大切にしています。
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