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相続手続きは何から始めればいい?家族が亡くなった後の流れをわかりやすく解説

相続手続 流れ 相続

「家族が亡くなったけれど、何から手続きを始めればいいのかわからない」

そのような不安を感じる方は少なくありません。

ご家族が亡くなられた直後は、葬儀や各種届出、親族への連絡などに追われ、相続について落ち着いて考える時間を確保することが難しいものです。

しかし、相続には期限が定められている手続きもあり、「落ち着いてから考えよう」と後回しにしてしまうと、希望どおりの対応ができなくなる場合があります。

例えば、

  • 相続手続きは何から始めればよいのか
  • 遺言書が見つかったらどうすればよいのか
  • 相続放棄はいつまでに手続きをすればよいのか
  • 実家の名義変更はいつ必要なのか

など、初めて相続を経験する方が迷いやすいポイントは数多くあります。

一方で、相続手続きは「やること」が多いだけで、「難しいこと」ばかりではありません。

全体の流れを理解し、一つずつ順番に進めていけば、多くの手続きは落ち着いて対応することができます。

この記事では、家族が亡くなった後の相続手続きについて、一般的な流れや期限がある手続き、よくあるトラブル、スムーズに進めるためのポイントをわかりやすく解説します。

相続手続きはどのような流れで進むのか

相続手続きは、一度にすべてを行うわけではありません。

まずは全体の流れを把握しておくことで、「今何をすればよいのか」が分かりやすくなります。

一般的には、次のような順番で進めていきます。

  • 遺言書の有無を確認する
  • 相続人を確定する
  • 相続財産を調査する
  • 相続方法(単純承認・相続放棄・限定承認)を検討する
  • 遺産分割協議を行う
  • 預貯金や不動産などの名義変更を行う

もちろん、ご家庭の状況によって順番が前後したり、一部の手続きが不要になったりすることもあります。

また、遺言書がある場合とない場合でも、手続きの進め方は異なります。

この記事では、この流れを踏まえながら、初めて相続を経験する方が特に知っておきたいポイントを順番にご紹介していきます。

家族が亡くなった直後にまず確認しておきたいこと

ご家族が亡くなられた直後は、葬儀や法要の準備、勤務先や関係機関への連絡など、短期間のうちに対応しなければならないことが数多くあります。

そのため、相続については「落ち着いてから考えよう」と思われる方も少なくありません。

もちろん、慌ててすべての手続きを進める必要はありませんが、その後の相続手続きを円滑に進めるためには、できるだけ早い段階で現状を整理しておくことが大切です。

ここでは、相続手続きを始める前に確認しておきたい3つのポイントをご紹介します。

遺言書があるか確認する

最初に確認したいのが、遺言書が残されているかどうかです。

遺言書の有無によって、遺産の分け方や手続きの進め方が大きく変わることがあります。

まずは、次のような場所や制度を確認してみましょう。

  • 自宅の金庫や書斎、仏壇などに保管されていないか
  • 金融機関の貸金庫を利用していなかったか
  • 公正証書遺言を作成していないか
  • 法務局の自筆証書遺言書保管制度を利用していないか

なお、自筆証書遺言が自宅などで見つかった場合は、勝手に開封しないよう注意が必要です。

法務局で保管されていた遺言書を除き、家庭裁判所で「検認」の手続きが必要になる場合があります。

また、遺言書には財産の分け方だけでなく、遺言執行者の指定や相続人以外への遺贈などが記載されていることもあります。

そのため、相続手続きを始める際は、まず遺言書の有無を確認することが重要です。

相続人が誰になるか確認する

次に確認したいのが、法律上の相続人が誰になるのかという点です。

「家族構成は分かっているから大丈夫」と思われる方もいらっしゃいますが、実際には戸籍を調査して初めて相続関係が明らかになるケースも少なくありません。

例えば、

  • 前婚時の子どもがいる
  • 養子縁組をしている
  • 子どもが亡くなっており代襲相続が発生している
  • 兄弟姉妹が相続人となる場合に甥・姪が代襲相続人になる

など、当事者が把握していないケースもあります。

相続人が一人でも漏れた状態で遺産分割協議を行うと、その協議は無効となり、やり直しが必要になる可能性があります。

そのため、亡くなられた方の出生から死亡までの戸籍を収集し、相続人を正確に確定することが大切です。

相続財産の概要を把握する

相続では、「どのような財産があるのか」をできるだけ早い段階で把握することも重要です。

相続財産というと預貯金や不動産を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、相続の対象となるのはプラスの財産だけではありません。

例えば、

  • 預貯金
  • 土地・建物などの不動産
  • 株式や投資信託などの有価証券
  • 生命保険金(契約内容による)
  • 自動車
  • 住宅ローンや借入金などの負債

などについて確認していきます。

この段階では、正確な財産目録を作成する必要はありません。

まずは、通帳や固定資産税の納税通知書、証券会社からの郵便物、保険証券などを確認し、「どのような財産がありそうか」を整理することが大切です。

財産の概要を把握しておくことで、その後の手続きを進めやすくなるだけでなく、相続方法を検討する際の判断材料にもなります。

次に、相続手続きの中でも特に注意したい「期限が定められている手続き」について見ていきましょう。

期限がある相続手続きには注意が必要

相続手続きには、ご自身のペースで進められるものもありますが、法律などによって期限が定められている手続きもあります。

期限を過ぎてしまうと、本来選択できたはずの手続きが利用できなくなったり、不利益を受けたりする場合もあります。

すべてを急いで進める必要はありませんが、「期限があるものだけは早めに確認する」という意識を持つことが大切です。

ここでは、特に注意しておきたい代表的な手続きをご紹介します。

相続放棄は原則3か月以内

亡くなられた方に借金や保証債務などの負債がある場合には、「相続放棄」を検討することがあります。

相続放棄をすると、預貯金や不動産などのプラスの財産も含め、すべての相続財産を引き継がないことになります。

相続放棄は、原則として「自己のために相続が開始したことを知った日から3か月以内」に家庭裁判所へ申述しなければなりません。

この3か月は、財産の内容を調査し、相続するか放棄するかを判断するための重要な期間でもあります。

しかし、実際には、

  • 借金はないと思い込んでいた
  • 財産調査に時間がかかってしまった
  • 相続人同士の話し合いに時間を要した

などの理由で、気付いたときには期限が迫っていたというケースも少なくありません。

特に、亡くなられた方が事業を営んでいた場合や、連帯保証人になっていた可能性がある場合には、早めに財産の調査を進めることが大切です。

相続放棄をするかどうか迷う場合には、家庭裁判所への手続きが必要となるため、できるだけ早い段階で弁護士などの専門家へ相談することをおすすめします。

準確定申告が必要になる場合もある

亡くなられた方が生前に確定申告を行っていた場合には、「準確定申告」が必要になることがあります。

例えば、

  • 個人事業を営んでいた
  • 不動産収入があった
  • 一定額以上の年金収入があった
  • 株式などの譲渡所得があった

などの場合には、対象となる可能性があります。

準確定申告は、相続人が亡くなられた方に代わって行う申告であり、原則として相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内に行う必要があります。

一方で、会社員で年末調整が済んでいた方など、準確定申告が不要なケースもあります。

対象となるかどうかは所得の内容によって異なるため、不明な場合には税理士へ確認すると安心です。

相続登記は義務化されている

土地や建物などの不動産を相続した場合には、「相続登記(名義変更)」が必要です。

令和6年4月1日から相続登記が義務化され、不動産を相続によって取得したことを知った日から3年以内に申請することが原則となりました。

これまでは名義変更をしないまま放置されるケースも少なくありませんでしたが、その結果、

  • 相続人が増えて権利関係が複雑になる
  • 不動産を売却したくても手続きが進められない
  • 所有者が分からない土地が増える

といった問題が全国で発生していました。

正当な理由なく義務に違反した場合には、過料の対象となる可能性もあります。

なお、相続登記そのものは司法書士の業務ですが、その前提となる戸籍の収集や相続関係の整理、遺産分割協議書の作成などは、行政書士がお手伝いできる場合があります。

不動産を相続した場合には、「まだ売却しないから後でいい」と考えず、早めに名義変更の準備を進めることが大切です。

期限がある手続きを把握したら、次は相続手続きを進める中で実際によく起こるトラブルについて見ていきましょう。

相続手続きでよくあるトラブル

相続は、法律で手続きが定められている一方で、ご家庭ごとの事情によってさまざまな問題が起こることがあります。

「うちは家族仲が良いから大丈夫」と思っていても、実際に相続が始まると意見の違いや思い違いから手続きが進まなくなるケースも少なくありません。

ここでは、相続手続きで特によく見られるトラブルをご紹介します。

相続財産を把握できていない

相続手続きを始めた後になって、

  • 別の銀行口座が見つかった
  • 株式や投資信託を保有していたことが分かった
  • 借入金やローンが残っていた

といったケースは決して珍しくありません。

財産の調査が不十分なまま遺産分割協議を行ってしまうと、新たな財産が見つかった際に協議をやり直さなければならない場合があります。

また、負債を見落としてしまうと、相続方法の判断にも影響する可能性があります。

通帳や郵便物、固定資産税の納税通知書などを確認しながら、できるだけ漏れなく財産を調査することが大切です。

相続人同士の意見がまとまらない

相続では、相続人全員が同じ考えとは限りません。

例えば、

  • 実家は売却したい人
  • 住み続けたい人
  • 公平に現金で分けたい人

など、それぞれの事情や考え方が異なることがあります。

また、

  • 親の介護をしてきた
  • 生前に多く援助を受けていた
  • 遠方に住んでいて状況を知らない

など、感情的な問題が重なり、話し合いが長引くこともあります。

相続人全員が合意しなければ遺産分割協議は成立しないため、冷静に話し合いを進めることが重要です。

実家をどうするか決められない

相続財産の中でも、最も意見が分かれやすいのが実家です。

売却するのか、誰かが住み続けるのか、それとも賃貸として活用するのかによって、相続人の希望が分かれることがあります。

不動産は預貯金のように簡単に分けることができないため、遺産分割協議が長引く原因になりやすい財産です。

また、空き家のまま放置すると、

  • 建物の老朽化
  • 固定資産税などの維持費
  • 管理の負担

といった新たな問題も生じます。

相続した実家をどうするかは、できるだけ早い段階で家族全員で話し合っておくことが大切です。

期限がある手続きを後回しにしてしまう

相続手続きはやることが多いため、先に述べた通り「落ち着いてからまとめてやろう」と考えてしまう方も少なくありません。

しかし、相続放棄や準確定申告、相続登記などには期限があります。

期限を過ぎてしまうと、本来選択できた方法が利用できなくなることもあります。

分からないことがあればそのまま放置するのではなく、早めに専門家へ相談することで、手続きをスムーズに進められる場合があります。

相続手続きをスムーズに進める3つのポイント

相続手続きは、必要な書類が多く、相続人同士での話し合いも必要になるため、思っている以上に時間がかかることがあります。

しかし、事前にポイントを押さえておけば、不要なトラブルを防ぎ、手続きをスムーズに進めやすくなります。

ここでは、特に意識しておきたい3つのポイントをご紹介します。

戸籍や財産に関する資料を早めに集める

相続手続きを進めるためには、亡くなられた方の戸籍や住民票、不動産に関する資料、預貯金の情報など、さまざまな書類が必要になります。

特に戸籍は、本籍地が複数ある場合や転籍を繰り返している場合には、収集に時間がかかることもあります。

また、金融機関や証券会社なども、それぞれ必要書類が異なる場合があります。

早い段階で必要書類の収集を始めておくことで、その後の手続きを円滑に進めやすくなるでしょう。

相続人同士で情報を共有する

相続では、一人だけで手続きを進めてしまうと、後から「そんな話は聞いていない」「勝手に進められた」といった誤解が生じることがあります。

そのため、

  • 現在どのような手続きを進めているのか
  • どのような財産が確認できているのか
  • 今後どのような予定で進めるのか

などを、相続人同士で適宜共有しておくことが大切です。

日頃から情報共有を意識することで、不必要な疑念や感情的な対立を防ぎやすくなります。

判断に迷ったら早めに専門家へ相談する

相続は、ご家庭によって事情が大きく異なります。

例えば、

  • 相続放棄をした方がよいのか判断できない
  • 遺言書の内容どおりに手続きを進めてよいのか分からない
  • 相続人同士で話し合いがまとまらない
  • どこから手を付ければよいのか分からない

など、不安や疑問を抱える場面も少なくありません。

そのような場合には、一人で悩み続けるよりも、早い段階で専門家へ相談することで、手続きの流れを整理しやすくなります。

また、相談内容によっては、行政書士だけでなく、司法書士や税理士、弁護士など、適切な専門家と連携しながら進めた方がよいケースもあります。

「まだ相談するほどではない」と考えず、少しでも不安を感じた段階で相談することが、結果としてスムーズな相続につながることも少なくありません。

よくある質問(FAQ)

相続手続きについてご相談を受ける中で、初めて相続を経験される方からよくいただくご質問があります。

ご家庭の状況によって必要な手続きは異なりますが、多くの方が疑問に感じやすいポイントをまとめました。

まずは基本的な考え方を知っておくことで、手続きを進める際の不安を軽減しやすくなるでしょう。

これまでに述べてきたことと重なる点もありますが、わかりやすいようにQ&Aに整理しました。

Q. 実家を相続したら名義変更は必要ですか?

A. はい、不動産を相続した場合は、相続登記(名義変更)が必要です。

令和6年4月1日から相続登記が義務化され、不動産を相続したことを知った日から原則3年以内に申請しなければなりません。

名義変更をしないまま放置すると、将来的に相続人が増えて権利関係が複雑になり、売却や活用が難しくなることがあります。また、正当な理由なく義務に違反した場合には、過料の対象となる可能性もあります。

相続登記そのものは司法書士が行う業務ですが、戸籍の収集や遺産分割協議書の作成など、前提となる手続きについては行政書士がサポートできる場合があります。

Q. 相続放棄は途中で取り消すことができますか?

A. 原則として、一度家庭裁判所で受理された相続放棄を取り消すことはできません。

そのため、財産や負債の内容を十分に確認したうえで手続きを行うことが大切です。借金の有無が分からない場合や判断に迷う場合には、期限が過ぎる前に専門家へ相談することをおすすめします。

Q. 遺言書が見つかったらすぐに開封しても大丈夫ですか?

A. 自筆証書遺言が自宅などで見つかった場合は、勝手に開封しないよう注意が必要です。

法務局の自筆証書遺言書保管制度を利用していた遺言書を除き、家庭裁判所で「検認」の手続きが必要となる場合があります。

一方、公正証書遺言には検認は不要です。遺言書の種類によって手続きが異なるため、まずはどのような遺言書なのかを確認することが大切です。

Q. 相続手続きは自分だけでもできますか?

A. 相続手続きは、ご自身で進めることも可能です。

ただし、戸籍の収集や相続人の確定、遺産分割協議書の作成、不動産や預貯金の名義変更など、多くの手続きが必要になります。

また、相続人同士で意見がまとまらない場合や、不動産が複数ある場合、相続放棄を検討している場合などは、専門家へ相談した方がスムーズに進められるケースも少なくありません。

まとめ|相続手続きは全体の流れを知ることから始めましょう

ご家族が亡くなられた直後は、葬儀や各種手続きに追われ、相続について落ち着いて考える時間を確保することが難しい場合も少なくありません。

しかし、相続放棄や相続登記など、期限が設けられている手続きもあるため、まずは全体の流れを把握しておくことが大切です。

相続手続きを進める際には、

  • 遺言書の有無を確認する
  • 相続人を確定する
  • 相続財産の内容を把握する
  • 期限がある手続きを優先して進める
  • 必要に応じて専門家へ相談する

といった点を意識することで、手続きをスムーズに進めやすくなります。

また、相続はご家庭ごとに状況が異なり、財産の内容や家族構成によって必要な対応も変わります。

「何から始めればよいかわからない」「戸籍の集め方がわからない」「遺産分割協議書を作成したい」といった場合には、早めに専門家へ相談することで、今後の流れを整理しやすくなります。

当事務所では、相続人調査、戸籍収集、遺産分割協議書の作成支援、遺言書作成サポートなど、相続に関するご相談を承っております。

相続手続きでお困りの際は、お気軽にご相談ください。

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