誠実にあなたに寄り添う専門家
すぎもり行政書士事務所
TEL: 06-7506-3993
お問い合わせ

相続放棄とは?手続き・期限・必要書類・注意点を行政書士がわかりやすく解説

相続放棄 限定承認 単純承認 アイキャッチ 相続

「親に借金があるかもしれない」「実家を相続しても住む予定がない」「相続放棄という言葉は聞いたことがあるけれど、どのような制度なのかわからない」とお悩みではありませんか。

相続では、預貯金や不動産などのプラスの財産だけでなく、借金やローンなどのマイナスの財産も引き継ぐことがあります。

そのような場合に利用を検討する制度が「相続放棄」です。

ただし、相続放棄は借金だけを放棄することはできず、相続財産のすべてについて放棄する制度です。

また、家庭裁判所での手続きや3か月という期限があり、一度受理されると原則として撤回することはできません。

そのため、制度の内容を正しく理解したうえで、ご自身の状況に合った判断をすることが大切です。

この記事では、相続放棄の基本的な仕組みやメリット・デメリット、相続放棄を検討した方がよいケース、手続きの流れ、期限、注意点などについて、初めての方にもわかりやすく解説します。

  1. 相続放棄とは?まず知っておきたい基本的な仕組み
  2. 相続放棄にはどのようなメリット・デメリットがある?
    1. 相続放棄をするメリット
    2. 相続放棄をするデメリット
  3. 相続放棄を検討した方がよいケースとは?
    1. 借金などのマイナスの財産が多い場合
    2. 利用や管理の予定がない不動産を相続する場合
    3. 相続トラブルに関わりたくない場合
  4. 相続放棄ができないケースや注意点
    1. 相続財産を処分すると相続放棄できない場合がある
    2. 一度受理されると原則として撤回できない
    3. 相続放棄をしても保存義務が残る場合がある
  5. 相続放棄には3か月の期限がある
    1. 3か月はいつから数える?
    2. 期限を延長できる場合がある
    3. 3か月を過ぎても認められるケースはある?
  6. 相続放棄の手続きの流れ
    1. 必要書類を準備する
    2. 家庭裁判所へ申述する
    3. 照会書(質問書)に回答する
    4. 相続放棄が受理される
  7. 相続放棄をすると他の相続人はどうなる?
    1. 次順位の相続人へ相続権が移る
    2. 生命保険金や死亡退職金はどうなる?
    3. 固定資産税や管理責任はどうなる?
  8. 相続放棄・限定承認・単純承認の違い
    1. 相続放棄・限定承認・単純承認の違い
  9. よくある質問(FAQ)
    1. Q. 相続放棄をすると借金はすべて払わなくてよくなりますか?
    2. Q. 相続放棄は3か月を過ぎてもできますか?
    3. Q. 相続放棄をすると生命保険金も受け取れなくなりますか?
    4. Q. 相続放棄をしたら他の相続人に借金が移りますか?
    5. Q. 相続放棄をした後に財産が見つかったらどうなりますか?
  10. まとめ

相続放棄とは?まず知っておきたい基本的な仕組み

相続放棄とは、亡くなった方(被相続人)の財産や借金などの権利や義務を一切引き継がないための制度です。

相続というと、預貯金や不動産などの財産を受け継ぐイメージを持たれる方が多いかもしれませんが、相続の対象となるのはプラスの財産だけではありません。

借金やローン、未払いの税金なども相続の対象となります。

そのため、相続財産より借金の方が多い場合や、さまざまな事情から相続を希望しない場合には、相続放棄という制度を利用することがあります。

そして、相続放棄をすると、法律上は「初めから相続人ではなかったもの」として扱われます。

その結果、預貯金や不動産を受け取ることはできませんが、借金などの返済義務を負うこともありません。

もっとも、「借金だけ放棄して預貯金だけ相続する」といったように、相続する財産を自由に選ぶことはできません。

なお、家族へ「相続しません」と伝えるだけでは相続放棄は成立せず、家庭裁判所へ申述し、受理されることで初めて法的な効力が生じます。

表1.相続放棄をするとどうなる?
相続放棄をすると 結果
預貯金 受け取ることができない
不動産 取得することができない
借金・ローン 返済義務を負わない
法律上の扱い 初めから相続人ではなかったものとみなされる

相続放棄にはどのようなメリット・デメリットがある?

相続放棄は、借金などの負債を引き継がなくて済む一方で、預貯金や不動産などの財産も一切相続できなくなる制度です。

そのため、「借金があるから相続放棄した方がよい」「不要な不動産があるから相続放棄した方がよい」と一概に判断できるものではありません。

相続財産の内容や家族の状況によって、相続放棄が適している場合もあれば、別の方法を検討した方がよい場合もあります。

まずは、相続放棄のメリットとデメリットを確認しておきましょう。

相続放棄をするメリット

相続放棄をする最大のメリットは、借金やローンなどのマイナスの財産を引き継がなくて済むことです。

また、相続放棄をすると法律上は初めから相続人ではなかったものとして扱われるため、原則として遺産分割協議に参加する必要もなくなります。

そのため、相続人同士の話し合いに関わりたくない場合や、相続トラブルを避けたい場合にも相続放棄が選択されることがあります。

相続放棄をするデメリット

相続放棄をすると、借金だけでなく預貯金や不動産などのプラスの財産も一切相続することができません。

また、一度家庭裁判所で相続放棄が受理されると、原則として撤回することはできません。

さらに、相続放棄をしたことで次順位の相続人へ相続権が移るため、結果として他の親族へ影響が及ぶ場合もあります。

相続放棄を検討する際は、財産の内容や家族への影響を十分に確認したうえで判断することが大切です。

表2.相続放棄のメリット・デメリット
項目 メリット デメリット
借金・ローン 返済義務を負わなくて済む
預貯金・不動産 プラスの財産も一切相続できない
遺産分割協議 原則として参加する必要がなくなる
手続き後 一度受理されると原則として撤回できない
他の相続人 次順位の相続人へ影響する場合がある

相続放棄を検討した方がよいケースとは?

相続放棄は、すべての相続で必要になるものではありません。

しかし、相続財産の内容や家族の状況によっては、相続放棄を検討した方がよい場合があります。

ここでは、相続放棄が選択されることの多い代表的なケースをご紹介します。

借金などのマイナスの財産が多い場合

亡くなった方に借金やローン、未払いの税金などがあり、プラスの財産よりもマイナスの財産の方が多い場合には、相続放棄を検討することがあります。

相続放棄をすることで、これらの債務を引き継ぐ必要がなくなります。

ただし、財産や負債の内容がはっきりしないまま判断することはおすすめできません。

まずは相続財産をできる限り調査し、本当に相続放棄が適しているかを確認することが大切です。

利用や管理の予定がない不動産を相続する場合

地方の空き家や利用予定のない土地など、維持管理の負担だけが大きい不動産を相続するケースもあります。

ただし、不動産が不要という理由だけで相続放棄を選択する場合は、預貯金など他の財産も含めて一切相続できなくなるため注意が必要です。

また、相続放棄以外の方法で解決できる場合もあるため、本当に相続放棄が適しているか慎重に検討しましょう。

相続トラブルに関わりたくない場合

相続人同士の話し合いが難しい場合や、親族との関係が疎遠で相続に関わりたくないという理由から相続放棄を選択する方もいます。

相続放棄をすると、法律上は初めから相続人ではなかったものとして扱われるため、原則として遺産分割協議に参加する必要はなくなります。

ただし、相続放棄をしたことで次順位の相続人へ相続権が移る場合があるため、事前に家族と十分に話し合っておくことが望ましいでしょう。

相続放棄ができないケースや注意点

相続放棄は、一定の要件を満たせば利用できる制度ですが、どのような場合でも認められるわけではありません。

相続財産の取り扱いや手続きの進め方によっては、相続放棄が認められなくなることがあります。

また、相続放棄をした後も一定の義務が残る場合があるため、制度を正しく理解したうえで判断することが大切です。

ここでは、相続放棄を検討する際に知っておきたい主な注意点をご紹介します。

相続財産を処分すると相続放棄できない場合がある

相続財産である預貯金を自由に使ったり、不動産や自動車を売却したりすると、「相続する意思がある」と判断され、相続放棄が認められない場合があります。

これを「単純承認」といい、一度単純承認が成立すると、その後に相続放棄をすることは原則としてできません。

相続放棄を検討している場合は、相続財産にはできるだけ手を付けず、慎重に取り扱うことが大切です。

一度受理されると原則として撤回できない

家庭裁判所で相続放棄が受理されると、原則として撤回することはできません。

後になって新たな財産が見つかったり、「やはり相続したい」と考えが変わったりしても、原則として相続放棄を取り消すことはできません。

そのため、相続財産の内容をできる限り確認したうえで、慎重に判断することが重要です。

相続放棄をしても保存義務が残る場合がある

相続放棄をした場合でも、相続財産を現に占有しているときは、その財産を適切に保存し、次に管理する方へ引き継ぐまで管理しなければならない場合があります。

例えば、被相続人が住んでいた自宅を管理している場合には、相続放棄をしたからといって、すぐに管理責任がなくなるわけではありません。

相続放棄をすれば、すべての義務が直ちになくなるわけではないことも理解しておきましょう。

相続放棄には3か月の期限がある

相続放棄は、いつでもできるわけではありません。

原則として、「自己のために相続の開始があったことを知った時」から3か月以内に家庭裁判所へ申述しなければなりません。

この3か月を「熟慮期間」といい、相続財産の内容を調査し、相続するか放棄するかを判断するために設けられた期間です。

期限を過ぎると、原則として相続放棄をすることができなくなるため、早めに財産や借金の状況を確認することが大切です。

ここでは、3か月の起算日や期限を延長できる場合などについて解説します。

3か月はいつから数える?

相続放棄の期限は、亡くなった日から一律に3か月ではありません。

原則として、自分が相続人になったことを知り、さらに相続が開始したことを知った日から3か月となります。

例えば、同居していた親が亡くなった場合は、通常、亡くなった日が起算日となることが多いでしょう。

一方で、先順位の相続人が全員相続放棄をしたことにより、自分が新たに相続人になった場合には、その事実を知った日から3か月となります。

期限を延長できる場合がある

相続財産の調査に時間がかかる場合などは、家庭裁判所へ「熟慮期間の伸長」の申立てを行うことで、期限の延長が認められる場合があります。

例えば、財産や借金の内容が複雑で、3か月以内に判断することが難しいケースなどが考えられます。

ただし、自動的に延長されるわけではありませんので、期限内に申立てを行う必要があります。

3か月を過ぎても認められるケースはある?

原則として、3か月を過ぎると相続放棄をすることはできません。

しかし、相続開始後しばらくして初めて多額の借金が判明した場合など、事情によっては相続放棄が認められるケースもあります。

個別の事情によって判断が異なるため、「期限が過ぎたからもう無理」と自己判断せず、できるだけ早く専門家へ相談することをおすすめします。

表3.相続放棄の3か月の起算日
ケース 3か月の起算日
通常の相続 原則として、自己のために相続の開始があったことを知った日
先順位の相続人が全員相続放棄した場合 自分が相続人となったことを知った日
財産や借金の調査に時間がかかる場合 期限内に家庭裁判所へ熟慮期間伸長の申立てを行うことで延長が認められる場合がある

相続放棄の手続きの流れ

相続放棄をするには、家庭裁判所で所定の手続きを行う必要があります。

「相続しない」と家族に伝えたり、遺産分割協議で自分は財産を受け取らないと決めたりするだけでは、相続放棄をしたことにはなりません。

また、相続放棄には3か月という期限があるため、必要な書類を準備しながら、できるだけ早めに手続きを進めることが大切です。

ここでは、相続放棄をする場合の一般的な流れを、必要書類の準備から家庭裁判所での手続き、受理された後まで順番に解説します。

必要書類を準備する

相続放棄の手続きをするには、家庭裁判所へ提出する申述書や戸籍謄本などの書類を準備する必要があります。

必要となる書類は、申述する人と亡くなった方との関係などによって異なります。

例えば、亡くなった方の配偶者が相続放棄をする場合と、先順位の相続人が全員相続放棄したことで新たに相続人となった方が手続きをする場合では、提出する戸籍関係の書類が異なることがあります。

そのため、まずは自分がどの立場の相続人なのかを確認し、家庭裁判所の案内に沿って必要書類を準備することが大切です。

相続放棄の申述には、一般的に次のような書類を使用します。

  • 相続放棄申述書
  • 申述人の戸籍謄本
  • 被相続人の戸籍謄本など
  • その他、申述人と被相続人との関係に応じて必要となる戸籍関係書類

なお、必要書類や提出先は個々のケースによって異なります。

特に、先順位の相続人が相続放棄をした後に手続きをする場合などは、通常の相続とは異なる書類が必要になることがあるため注意しましょう。

家庭裁判所へ申述する

必要書類を準備したら、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所へ相続放棄の申述を行います。

相続放棄の申述は、原則として相続放棄をする本人が行います。

申述書や必要書類を家庭裁判所へ提出し、申述の手続きを進めます。

なお、相続放棄には「自己のために相続の開始があったことを知った時」から3か月という期限があります。

必要書類の準備に時間がかかることもあるため、相続放棄を検討している場合は、できるだけ早めに手続きを始めることが大切です。

照会書(質問書)に回答する

家庭裁判所へ相続放棄の申述をすると、裁判所から「照会書」や「質問書」などが送られてくる場合があります。

照会書では、被相続人が亡くなったことをいつ知ったのか、相続財産を処分していないか、相続放棄をする意思があるかなど、相続放棄の判断に関係する事項について確認されます。

質問には事実に基づいて正確に回答し、必要に応じて期限までに家庭裁判所へ返送します。

回答内容によっては、家庭裁判所から追加の確認を受ける場合もあります。

相続放棄が受理される

家庭裁判所による確認が終わり、相続放棄の申述が受理されると、相続放棄の手続きは完了します。

相続放棄が受理されたことを証明する書類として、「相続放棄申述受理通知書」が家庭裁判所から送付されます。

借金の債権者などに相続放棄をしたことを証明する必要がある場合には、この通知書や「相続放棄申述受理証明書」などを使用することがあります。

なお、相続放棄が受理された後は、原則として撤回することができません。

そのため、手続きをする前に相続財産の内容をできる限り確認し、相続放棄をするかどうかを慎重に判断することが大切です。

表4.相続放棄の主な必要書類
必要書類 内容・注意点
相続放棄申述書 相続放棄をするために家庭裁判所へ提出する書類
申述人の戸籍謄本 相続放棄をする本人の戸籍謄本
被相続人の戸籍謄本など 被相続人が亡くなったことや、申述人との親族関係を確認するために必要となる
その他の戸籍関係書類 申述人と被相続人との関係や相続順位などによって、追加の戸籍関係書類が必要となる場合がある

※ 必要書類は申述人と被相続人との関係などによって異なります。実際に提出する際は、申述先の家庭裁判所の案内を確認してください。

相続放棄をすると他の相続人はどうなる?

相続放棄をすると、その人は法律上、初めから相続人ではなかったものとして扱われます。

そのため、相続放棄をした人が相続財産を受け取ることはありませんが、相続放棄によって他の相続人に影響が及ぶ場合があります。

特に、同順位の相続人がいる場合や、先順位の相続人が全員相続放棄した場合には、誰が相続人になるのかが変わることがあります。

また、相続放棄をしても、生命保険金や被相続人の所有していた不動産の管理などについて、相続とは別に考えなければならない問題があります。

ここでは、相続放棄をした後に他の相続人や家族へどのような影響があるのかを解説します。

次順位の相続人へ相続権が移る

相続放棄をすると、その人は初めから相続人ではなかったものとして扱われます。

そのため、同じ順位の相続人が複数いる場合に、そのうちの一人だけが相続放棄をしても、他の相続人が相続することになります。

一方で、同順位の相続人が全員相続放棄をすると、次の順位の相続人が相続人となります。

例えば、亡くなった方に子どもが複数いる場合、そのうち一人が相続放棄をしても、残りの子どもは相続人のままです。

しかし、子ども全員が相続放棄をした場合には、次順位の相続人である父母などの直系尊属、さらにその方もいない場合には兄弟姉妹が相続人となる可能性があります。

そのため、借金などを理由に相続放棄をする場合には、自分だけの問題として考えるのではなく、次に相続人となる可能性がある親族についても確認しておくことが大切です。

生命保険金や死亡退職金はどうなる?

相続放棄をすると、原則として被相続人の財産を相続することはできません。

ただし、生命保険金や死亡退職金などは、契約内容や受取人の指定などによって、相続放棄をした人でも受け取れる場合があります。

例えば、生命保険契約で特定の人が受取人として指定されている場合、その生命保険金は原則として受取人自身の財産として扱われ、相続財産には含まれません。

そのため、相続放棄をしたからといって、必ず生命保険金まで受け取れなくなるわけではありません。

ただし、保険契約の内容や受取人の指定によって扱いが異なるため、個別に確認する必要があります。

固定資産税や管理責任はどうなる?

相続放棄をした人は、原則として被相続人の不動産を相続することはありません。

ただし、相続放棄をしたからといって、相続に関係するすべての問題から直ちに離れられるとは限りません。

特に、相続放棄をした人が被相続人の所有していた自宅などを現に占有している場合には、次にその財産を管理する人へ引き渡すまで、適切に保存する義務が生じることがあります。

また、固定資産税についても、相続放棄をしたからといって不動産に関する問題がすべてなくなるわけではありません。

誰が不動産を取得するのか、誰が管理するのかを確認することが大切です。

相続放棄・限定承認・単純承認の違い

相続が発生した場合、相続人は必ず相続放棄をしなければならないわけではありません。

相続には、「相続放棄」のほかに「限定承認」と「単純承認」という選択肢があります。

それぞれ、プラスの財産とマイナスの財産をどのように引き継ぐのかが異なるため、相続財産の状況を確認したうえで、自分に合った方法を選ぶことが大切です。

相続放棄・限定承認・単純承認の違い

相続放棄は、プラスの財産もマイナスの財産も一切引き継がない方法です。

一方、限定承認は、相続したプラスの財産の範囲内で借金などのマイナスの財産を負担する方法です。

単純承認は、プラスの財産もマイナスの財産もすべて引き継ぐ、一般的な相続の方法です。

それぞれの違いを整理すると、次のようになります。

表5.相続放棄・限定承認・単純承認の違い
項目 相続放棄 限定承認 単純承認
プラスの財産 相続しない 相続する 相続する
借金などの負債 引き継がない 相続した財産の範囲で負担する すべて引き継ぐ
手続き 家庭裁判所への申述が必要 家庭裁判所への申述が必要
※相続人全員で行う
原則として特別な手続きは不要
3か月の期限 あり あり なし
利用するケース 借金などを含め、相続財産を一切引き継ぎたくない場合 財産と負債のどちらが多いか分からない場合など 通常どおり財産と負債を引き継ぐ場合

よくある質問(FAQ)

相続放棄について、特にお問い合わせの多い質問をまとめました。

相続放棄の期限や借金、生命保険金、他の相続人への影響など、判断する際に気になりやすいポイントをQ&A形式で解説します。

Q. 相続放棄をすると借金はすべて払わなくてよくなりますか?

A. 原則として、相続放棄が家庭裁判所で受理されると、被相続人の借金やローンなどの債務を引き継ぐ必要はありません。

ただし、相続放棄をする前に相続財産を処分するなどして単純承認が成立している場合は、相続放棄が認められないことがあります。

また、相続とは別に保証人や連帯保証人などの立場で債務を負っている場合は、相続放棄をしてもその債務までなくなるわけではありません。

Q. 相続放棄は3か月を過ぎてもできますか?

A. 原則として、相続放棄は「自己のために相続の開始があったことを知った時」から3か月以内に家庭裁判所へ申述する必要があります。

ただし、相続財産や借金の存在を後になって初めて知ったなど、一定の事情がある場合には、3か月を過ぎた後でも相続放棄が認められることがあります。

3か月を過ぎている場合でも、自己判断で諦めず、できるだけ早く専門家や家庭裁判所へ確認することが大切です。

Q. 相続放棄をすると生命保険金も受け取れなくなりますか?

A. 相続放棄をしたからといって、必ず生命保険金を受け取れなくなるわけではありません。

生命保険契約で特定の人が受取人として指定されている場合、その生命保険金は原則として受取人自身の財産として扱われます。

そのため、相続放棄をした人でも生命保険金を受け取れる場合があります。

ただし、保険契約の内容や受取人の指定によって扱いが異なるため、個別に確認する必要があります。

Q. 相続放棄をしたら他の相続人に借金が移りますか?

A. 相続放棄をした人は、法律上は初めから相続人ではなかったものとして扱われます。そのため、同じ順位の相続人が残っている場合には、その人たちが相続することになります。

また、同順位の相続人が全員相続放棄をすると、次順位の相続人が相続人となる場合があります。

例えば、子ども全員が相続放棄をすると、次順位の相続人である父母などの直系尊属、さらにその方もいない場合には兄弟姉妹が相続人となる可能性があります。

借金などを理由に相続放棄をする場合は、自分だけでなく、次に相続人となる可能性がある親族についても確認しておくことが大切です。

Q. 相続放棄をした後に財産が見つかったらどうなりますか?

A. 相続放棄が受理された後に新たな財産が見つかったとしても、原則としてその財産だけを相続することはできません。

相続放棄は、特定の財産だけを放棄する制度ではなく、被相続人の権利や義務を一切引き継がないためです。

例えば、「借金があると思って相続放棄をしたものの、後から預貯金が見つかった」という場合でも、原則としてその預貯金だけを受け取ることはできません。

そのため、相続放棄をする前に、預貯金、不動産、借金などの相続財産をできる限り調査したうえで判断することが重要です。

まとめ

相続放棄は、被相続人の借金やローンなどのマイナスの財産を引き継がないために利用できる制度です。

一方で、借金だけを放棄して預貯金や不動産だけを相続するといったことはできず、プラスの財産も含めて一切の相続を放棄することになります。

また、相続放棄には「自己のために相続の開始があったことを知った時」から3か月という期限があり、家庭裁判所への申述など所定の手続きが必要です。

相続放棄をする前に相続財産を処分すると、単純承認が成立して相続放棄が認められなくなる場合があるほか、相続放棄をした後も、相続財産を現に占有している場合には保存義務が残ることがあります。

さらに、自分が相続放棄をすることで、次順位の相続人へ相続権が移る場合もあります。

そのため、「借金があるから相続放棄をする」「不要な不動産だから相続放棄をする」とすぐに決めるのではなく、相続財産の内容や相続人の状況を確認したうえで判断することが大切です。

相続放棄をするかどうか迷っている場合や、3か月の期限が迫っている場合には、早めに専門家へ相談することをおすすめします。

お問い合わせはこちら